先週日曜日は、漢方の学術研修会があり、
「盛岡」に行ってまいりました。
午後1時からの開講、秋田を午前11時に発つ新幹線に揺られ、
車窓からの山々の紅葉や美しい川の景色も堪能。
お昼は盛岡の研修会での車中食の自分的定番、
大館・花善の名物駅弁の『鶏めし』をお昼で食べようかと思っておりましたが、
何故か駅でハンバーガーにポテトフライのセットを買ってしまいました。
ハンバーガーなんて何年ぶり?
たまに頂くハンバーガーも美味しかったです。
そして、毎度『こまち』の先頭の席のテーブルが広くて助かっております。
今回の講義のテーマは、
当店でも愛用者の多い、
10種類の生薬を原料としてた漢方薬
『心脾顆粒(しんぴかりゅう)』の
臨床応用の講義。
あらためて『心脾顆粒』の臨床応用範囲の広さを実感いたしました。
心脾顆粒は、
漢方で言うところの
『心脾両虚(しんぴりょうきょ)』と言われる症状の代表処方で、
『心脾両虚(しんぴりょうきょ)』とは?
心血虚(しんけっきょ)「脾気虚(ひききょ)」が同時発生!
心脾両虚とは、
血を全身に巡らせる「心(しん)」の機能が低下する
①「心血虚(しんけっきょ)」
消化吸収をつかさどり、気・血を生成する「脾(ひ)」の虚弱
②「脾気虚(ひききょ)」
①、②が同時に発生している状態です。
「心血虚(しんけっきょ)」になると
脳への気血不足により、
不眠、夜間覚醒、浅い眠りなど睡眠障害や、
物忘れ、不安、うつなど心のアンバランスを生じることがあります。
「脾気虚(ひききょ)」になると
食事の消化吸収の低下、
気血などのエネルギーの減少、
気血の運搬機能の低下など引き起こし、
食欲や意欲の低下、胃腸不調、
全身倦怠
出血(血小板減少、血尿)
生理不順
皮膚熱感(アトピー、掌蹠膿疱証、ニキビ)なども引き起こします。
『心脾両虚(しんぴりょうきょ)』のメカニズム
現代医学的に『心脾両虚』を解説すると、
(ストレス過多・睡眠不足・不安)
↓
(自律神経の乱れ)
↓
(神経末端からの神経伝達物質放出)
(副腎皮質からの神経伝達物質放出)
↓
(心拍数増加)
(胃腸への血流低下、胃機能低下)
こんな感じになり、
心身の疲れが、本当に多岐に及ぶ症状につながる事に驚きました。
症例で興味深かったのは、
血小板減少により、鼻血が頻繁に起きる方に
薬局では、
「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」などを中心だしていたが、
なかなか改善されない20代後半の女性に
「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」をだしたところ、
血小板が適正値に上昇、鼻血がとまった。
病院で腎ネフローゼと診断され血尿がでる男性に
「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」に
「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」を一日2回合わせて出したところ、
短期間で血尿が止まったなど、
出血にたいする心脾顆粒の応用。
相談が多く、なかなか難しい場合もありますから、
特に興味深く効きました。
「脾統血」
「脾不統血」
この原則を聞けただけで、盛岡に来たかいがありました。
秋田の漢方相談がお役な立てます様に日々学んでおります。
今週もどうぞよろしくお願い申し上げます。
山王けやき薬品
飯田