秋田の漢方、女性のお悩み相談
山王けやき薬品・飯田です。
昨日、ご相談を頂きましたお客様は、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
と診断さたたお客様、お子様をご希望されておられますので、排卵を阻害する多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は大きな問題と言えます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の相談は、少なく有りません。
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)とは?
多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome)
卵巣被膜下に10mm以下で発育を止めた小卵胞が多数存在する状態です。
(いわゆるネックレスサイン)
発育をやめたある程度の大きさの卵胞は、
被膜肥厚を引き起こし
(卵巣の壁についてしまい卵巣の膜が厚くなる)
排卵の妨げとなります。
さらには、多数の小卵胞の存在はホルモンのアンバランスを引き起こし、これも排卵を阻害する原因に。
『日本婦人科学会』の
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)の診断基準から引用すると
>PCOSの診断標準
※(日本産科婦人科学会・内分泌委員会,2007 より引用)
以下引用
↓
1:月経異常(無月経, 稀発月経,無排卵周期)
2:多嚢胞性卵巣(ネックレスサイン)
3:血中男性ホルモン上昇(アンドロゲン)
4:LH高値かつ、FSH正常
↑
以上引用
また、PCOSを疑われる方の
ホルモン分泌異常では、
「LH > FSH」
「AMH が高い」
「インシュリン抵抗性がある」
などがあります。
インシュリン抵抗性ってなに?
そして、よくお客様から質問されるのが、
> インシュリン抵抗性てなに?
> この『HOMA-IR』ってなに?
などです。
まず、インスリン抵抗性があると言う事は、
インスリン抵抗性が有る → インスリンの作用が弱い、効かない
可能性が想定され
「2型糖尿病になりやすいのでは?」
との判断基準に使います。
ただ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)との相関も指摘されており、
「メトホルミン」など経口血糖降下薬が病院より処方される事も。
さらに、『インスリン抵抗性』と『卵の質』の相関を指摘する論文もあります。
>『HOMA-IR』??
インシュリン抵抗性については、いろいろな指標が有るようですが、
HOMA-IR(ホーマーアール)は、インスリン抵抗性を測る数値の一種です。
HOMA-IR=空腹時インスリン値(μU/ml)× 空腹時血糖値(mg/dl)÷405
との数式で導かれ
一つの指標として
『 HOMA-IR(ホーマーアール)』が
2.5以上で
『インスリン抵抗性あり』と診断される事が多いそうです。
いずれにしても、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は複雑な病態といえます。
病院での多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療
病院での多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療としては、
(薬物療法)
クロミフェン療法(CC クロミッドなど)
クロミフェン+メトフォルミン
ゴナドトロピン
※ 挙児希望の無い場合、カウフマン療法や低用量ピル など
(手術療法)
何種かの手術方法があるそうですが、
最近は腹腔鏡手術の発展により、腹腔鏡下手術(ラパロ)で「腹腔鏡下卵巣焼灼術」が行われる様になっております。
腹腔鏡下手術(ラパロ)は、開腹手術より、手術が体に与える、組織の破壊、出血などのリスクが低いと思われますし、手術後、半年から1年程度、症状が抑えられるそうです。
ただ、効果が一時的、卵巣の癒着による卵巣機能低下を懸念するドクターもおられます。
(体外受精)
挙児希望の場合、 体外受精をすすめられる事も多いです。
(生活指導)
肥満をともなうPCOSの場合、ダイエットや運動などが推奨されます。
漢方で考える
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
漢方的弁証では、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の体質の根本を、
「痰湿(たんしつ)」「瘀血(おけつ)」体質と考えます。
痰湿(たんしつ)とは?
新陳代謝が悪くて、余分な水分や脂肪が停滞している状態です。
舌の状態の特徴は
厚いベトベトの舌苔(したごけ)に覆われていて
寒熱で、
熱タイプ(白い舌苔)
寒タイプ(黄色い舌苔)
などあります。
瘀血(おけつ)とは?
血のめぐりが悪く、血が停滞している状態で、
この『瘀血(おけつ)』が卵巣付近に停滞する事で、卵巣の膜を硬くし排卵の妨げとなります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
漢方薬対策
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対する漢方薬の対応としては、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の体質の根本を「痰湿(たんしつ)」「瘀血(おけつ)」と考える事から、
化痰・利湿(痰湿を取り除く)
瘀血を改善
などの漢方治療のをベースに
〇 冷え・BBT低め・男性ホルモン正常・寒症舌
〇 暑がり・BBT 高め・男性ホルモン高値・オリモノ少ない・陰虚舌
〇 -肥満・卵巣腫れ・インシュリン抵抗性 ↑・オリモノ多い・痰湿舌
〇 イライラが強い・プロラクチンが高い・BBTギザギザ・肝鬱舌
などなどの特徴も踏まえつつ
ご相談をお受けしております。
病態や病因が複雑で治療が難しい病気ですが、
少しでもお役に立てます様にご相談をお受けしております。
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